雅楽は、
日本古来の歌と舞、
古代のアジア大陸から伝来した音楽と楽器、舞が日本化したもの、
及び、その影響を受けて新しく出来た歌
の総体で、ほぼ十世紀(平安時代中期)に今日の形に完成した日本の最も古い古典音楽です。
雅楽の種類は、
国風歌舞(くにぶりのうたまい)、
大陸系の楽舞(がくぶ)、
謡(うたい)物(もの)(歌)
に大別され、演奏形態では、管弦(かんげん)、舞楽(ぶがく)、歌謡(かよう)があります。
◇管弦(かんげん)
管弦は、
管楽器三管(鳳(ほう)笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・龍(りゅう)笛(てき))、
弦楽器両弦(りょうげん)(琵琶(びわ)・箏(こと))、
打楽器三鼓(鞨鼓(かっこ)・太鼓(たいこ)・鉦鼓(しょうこ))
の編成で演奏されます。
また、催馬楽(さいばら)(両弦及び三管の主奏者伴奏)・朗詠(ろうえい)(三管の主奏者伴奏)などの謡物(うたいもの)も、管弦の演目の中に入れて演奏する事もあります。
◇舞楽(ぶがく)
舞楽には、左舞(さのまい)と右舞(うのまい)の別があり、舞の姿によって平(ひら)舞(まい)(文舞(ぶんのまい))・武舞(ぶのまい)・走舞(はしりまい)・童舞(どうぶ))に分けられます。
左舞は、唐楽(とうがく)で舞い、インドや中国などから伝わってきたもの、又はこれらに習って作られたものです。
装束の色彩は原則として赤色の系統を用い、舞人(まいにん)は客席から見て左の方から進み出て舞台に登り、伴奏は三管三鼓の六楽器の編成で演奏されます。
右舞は、主として高麗楽(こまがく)で舞い、朝鮮半島から伝わってきたもの、又はこれらに習って作られたものです。
装束の色彩は原則として緑色の系統を用い、舞人は右の方から進み出て舞台に登ることになっています。
伴奏も左舞とは異なり通常は鳳笙を用いず、龍笛に代わって高麗笛を、又鞨鼓に代わって三(さん)の鼓(つづみ)を用います。